家庭用 2025年04月11日

ダチョウの卵が割れた!セメダインCを使って復元する

 復元というものがある。遺跡から割れた土器が見つかり、そのかけらを組み合わせて、元の形に戻す。復元だ。土器だけではなく、博物館に行けば、多くのものが復元されている。在りし日の姿に戻すことをここでは復元と呼ぶ。
 
ということで、ダチョウの卵を復元したいと思う。工作用のセメダインCを使えば、素人でも復元できてしまうのだ。ダチョウの卵の復元の玄人ってなんだろう、とは思うけど、素人でもできちゃうのだ。

割れたダチョウの卵
ダチョウの卵の特徴はまず大きいことだ。鶏卵の30倍ほどの大きさがある。また殻は厚く割れにくい。ダチョウは大きいので産み落とす時の位置が高い。その衝撃に耐えるために殻は厚くなっている。
この記事を書いている地主とダチョウの卵です!
殻が厚いからと言って割れないわけではない。ダチョウの雛が殻を割って生まれてくるように、殻は割れるのだ。形あるものはいつか壊れるという考え方もある。つまりダチョウの卵は割れるのだ。
そう、このように!(先の卵とは別の卵)
ダチョウの卵は貴重なので、私は中を抜いて殻だけを大切に保管していた。しかし、最近引っ越しをした時に、知人にダチョウの卵をプレゼントしたら、持ち帰る途中で割れたらしい。中がないから脆いのかもしれない。綺麗さっぱり割れていた。
そこでセメダインCの出番です!
セメダインC(工作用)
割れたダチョウの卵を復元できないか、と知人に言われたので「セメダインC」を持って知人の家を訪れた。セメダインCは透明で乾きがはやい特徴を持っている。また適度な粘度を持っているために作業がしやすい。ダチョウの卵を復元するためにあるような存在だ。
 透明です!
嘘。ダチョウの卵を復元するためだけの接着剤ではない。木、紙、布などの接着が得意で、工作に向いている(ただし、接着剤がくっつきにくいポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどは接着できない)。何より透明なので、作品の持つ色味を担保しつつ接着できる。結局、ダチョウの卵を復元するために存在するのだ。土器の復元などにも最適だけどね。とにかく復元に向いていると言える。
このデザインも懐かしくいいよね!
パズルだ!
セメダインCは素晴らしい接着剤だ。それは過去に使ったこともあるので間違いない。問題は私がダチョウの卵の復元をしたことがない点だ。どことどこを接着していいのかわからない。かけらを持ってここじゃない、ここでもない、向きを変えてはこの向きではない、こっちの向きでもない、を繰り返す。
わからない!
ダチョウの卵がもっとカラフルならば、色の変化があるから、このかけらはここだ!となるのだけれど、白だから。ダチョウの卵は早朝の雪のように白いから、わからないのだ。ウズラの卵なら模様があるからもっとわかるはずだけど。もっともウズラの卵は小さいから、それはそれで大変だとは思う。
 違うな、、、とズラしていると、
ピッタリ!!!
そんな苦労があるからだろう、ピッタリとハマった時の感動は明日から3連休くらいの喜びがある。私はジクソーパズルの楽しみがよくわからなかったのだけれど、こういうことか、と納得した。確かに嬉しいし楽しい。ピッタリとハマる度に歓喜の雄叫びを上げた。
セメダインCをつける!
セメダインCで接着する時は接着面のゴミ・サビ・油などの汚れを落とし、なるべく水分は乾燥させてからの方がいい。ただ今回のダチョウの卵は、そもそも大切に保存していたので、汚れはなく、湿気てもいないので、断面にそのままセメダインCをつけた。
ピッタリ!
やはりセメダインCの粘度が今回の復元には素晴らしい力を発揮している。ダチョウの卵の殻は厚いと言っても2mmもあればいいくらいの話なので、ちょっとの力でズレてしまう。ただ粘度があるおかげで、ホールドしてくれてズレを少なくしてくれる。
乾燥もはやい!
完全に固まるまでは3、4時間かかるけれど、かなり早いタイミングで手を離しても固定してくれた。上記のように手を離してもズレない。作業がしやすい接着剤だ。そのためにどんどんと作業が進む、と書きたいけれど、パズルの部分で時間がかかるので作業は全然進まない。セメダインCは完璧なんだけど、パズルが解けないのだ。
基本的にはここかな、って時間ばかり!
形ができてくる!
大きいかけらはまだこの辺かながわかりやすい。大きいものから順に場所を見つけ、接着し、やがて小さなかけらになる。こうなるともうわからない。運に任せる感じだ。運良く正解の場所であってくれ、みたいな感じだ。
小さいのよね!
 セメダインCは相変わらずよく接着してくれる。卵だから湾曲しているので、接着後に平らなところに置いても、どこか不安定なのだけれど、セメダインCは粘度のおかげで追従性があるのだろうか、しっかりとズレずに接着できた。
ほぼ元の形が見えてきました!
形が見えてくると復元できるか否かの不安が消え、俺が復元したんです、という自信がみなぎってくる。今回は絶対に使うかけらばかりだけど、土器とかの復元は必ずしも使うかけらばかりではないから大変だろうと想像できる。達成感もすごそうだけどね。
かなり熱中した!
 復元完了!
3時間を使いダチョウの卵の復元が終了した。ほぼどことどこがくっつくのかな、という時間だった。セメダインCの待ち時間は長かったと思う。なかなか使わないから。場所探しばかりだった。
こちらが復元したダチョウの卵です!
在りし日の姿に戻った。あんなに割れていたのに美しきダチョウの卵に戻っている。セメダインCすごい。繋ぎ目はあるけれど、それがカッコよく感じる。繋ぎ目を消すには、プラモデルから考えれば、やすりをかけて、塗装すればいいのだろうけれど、それだとダチョウの卵の表面の質感が消えるので、このままで問題なし。
小さくて薄いのにしっかり接着しています!
博物館の土器なども繋ぎ目があるけれど、繋ぎ目に歴史を感じて好きだ。よってこのダチョウの卵の復元もこのままでいいように思える。なによりポイントは強度なのだ。薄いもの同士を接着したのに、完全に乾くと全然ズレたり、割れたりする様子がないのだ。
投げてキャッチしても大丈夫!
割れる前と変わらぬ強度と言えば、言い過ぎだけれど、安心感はある。さすがセメダインCと言いたい。失われた姿を復活させることに楽しさを感じたのだけれど、一番は、失われないことだ。大切にしなければならない。復元、楽しいんだけどね。
ほれぼれしています!

セメダインCもすごい!
今回のセメダインCは工作用ということもあって、「粘度があるので作業しやすい」「乾きがはやい」「透明なので目立たない」などがよい点で、ダチョウの卵の復元のためにあるような存在だった。今回の復元に関してはセメダインCにマイナス面はなかった。
 
あと個人的にいいと思った点はやっぱりデザイン。子供の頃、セメダインと言えばこのデザインだった。懐かしさを感じたけれど、その接着力は色褪せないというか最新。すごい接着力なのよ!
完璧!
 
ライター:地主恵亮(じぬし けいすけ)
1985年福岡県生まれ。2009年より人気Webサイト「デイリーポータルZ」にて執筆を開始。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女(鉄人社)」、「ひとりぼっちを全力で楽しむ(すばる舎)」がある。(全く釣れない)釣りを得意とする。

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