ものづくり 2026年08月24日

ロボット掃除機に動くしっぽをつける

 我が家のロボット掃除機は、今やペット的存在。2歳の息子も「るんばしゃん」と呼んでかわいがっています。でも、少し前は動き出すたびに自分でスイッチを切る天敵でした。この関係を変えたのが、サーボモーターで動く「しっぽ」。紆余曲折ありの、工作の記録をお届けします。

ロボット掃除機と息子が和解してほしい

 我が家の欠かせない道具の1つ、ロボット掃除機。ところが、子どもが1歳半を過ぎたあたりから困った事態に。子どもがロボット掃除機を怖がって逃げるようになったのです。

 警戒中
 もっと小さなころは恐れを知らずに突進していたのですが、知能が上がるとともに恐怖を感じるようになったよう。そしてさらに賢くなった子どもは、ロボット掃除機が動き始めると自分でスイッチを切るように。これは困った。子どもとロボット掃除機、和解してほしい。
 ペットのようなロボットLOBOTはすぐに気に入り一緒に遊んだ
 どうも息子には苦手なロボットとそうでないロボットがいるようです。ぶつかると自動で向きを変えるおもちゃのトーマスは怖い。一方で、生き物のようなロボットは、見てすぐに気に入りなでたり抱っこ。

そして息子は猫が大好き。猫を見つけると「にゃんにゃん!」と触りに駆け寄っては、駆け寄り方が大胆過ぎていつも逃げられています。そうだ、ロボット掃除機がかわいい猫みたいになれば、息子も怖がらないんじゃなかろうか。猫といえばしっぽ!ロボット掃除機にしっぽを生やそう!

 

曲がるしっぽをどうやって作る?

 しっぽを生やす、とはいっても、ゴミストッカーの部分や、方向転換のためのバンパー部分は触りたくない。しっぽがついたボックスを上にのせるような作りにします。

構想時点での設計イメージ(モーターの数等完成品とは少し違います)
 ポイントはしっぽの動きです。直線的に左右に振るだけではない、生き物っぽい動きにしたい。たどり着いたのが、柔らかい芯材を使い、糸で引っ張る方法。複雑な動きはしにくいものの、少ないパーツで柔らかい動きを作ることができます。

家にあるもので簡単に。くねくねしっぽの動きをテスト

 原理はわかったものの、本当にうまく動くのか?まずは試作。厚紙を丸く切ったものに、金属ばねと、髪ゴム、テグスを通してひとつなぎに。テグスを引っ張ると、くにゃくにゃと曲がります。これ、単純でおもしろいのでみんなやってみるといいですよ!

 引っ張るテグスとゴムの位置は90度、テグスは2本より1本の方が自然な動
きになった
 ちなみに、輪ゴムと毛糸でやった時には、根本の関節が曲がるだけで、全体が曲がる柔らかい動きになりませんでした。髪ゴムなど、ゴムの周りが繊維で包まれ、均一に伸び縮みするゴムを使うところ、そして引っかかりにくいテグスを使うのが成功ポイント。

生きてるようにしっぽを動かせ!

 次は自動で動くように。制御するマイコン(M5stickS+)とサーボモーターを接続。モーターの軸を180度往復回転させてテグスを引っ張ります。

 動く!でも、どことなく機械っぽい。回転のスピードや角度をランダムに変えるプログラムにすると、生物っぽさがでてきました。さらに、大きくゆっくりしっぽを振るリラックスモード、素早くしっぽを振る興味しんしんモードなど、モードを切り替えることで、より生き物感を感じる動きに進化。思った以上にいいかんじじゃない!
ガガガガ…とうるさいが、ロボット掃除機自体がうるさいので今回は気にしない

しっぽカバーでふわふわにと思ったら…意外な落とし穴

 ただ、これでは骨格模型みたい。目指すはかわいい。布でしっぽカバーを作ってみました。ところが、カバーをつけるとうまく曲がらない。ここまで来て失敗⁉頭を抱えながら、薄い布や編み物などいろいろ試します。

いろいろなしっぽカバー

 結果、ふわふわの布に切れ目を入れたカバーを採用。しっぽマシン完成です。

いよいよロボット掃除機にオン

 できたしっぽマシンをロボット掃除機に貼り付けます。振動にも負けず、子どもがむしり取れないように強力に、でも取り外せないのも困る。ということで後から剥がせる固定剤、セメダインDで貼り付けます。

 始動!うんうん、かわいい!方向転換の時にしっぽをぶつけちゃうけど、しっぽ自体が柔らかいから、ぶつかっても案外平気。かわいい!いいぞ、これなら息子もかわいがってくれるんじゃない⁈

息子と対面!はじめは興味津々だったが…

ちなみに息子、最近前よりロボット掃除機を怖がらなくなり、逃げはしないのですが、あいかわらず動いているとスイッチを切ってしまいます。どうにも嫌らしい。

 

そんな息子としっぽ付きに進化したロボット掃除機を対面させると…

 動くしっぽには興味しんしん。駆け寄ってしっぽに触ったり、棒でつついたり。怖さよりしっぽへの興味が勝ったよう。成功か!と思ったのですが…
 わりとすぐに興味をなくしました。まぁ怖さが減ってくれたのならよい、問題はない。が、なんだかさみしい。

もふもふは正義!ぬいぐるみ化で愛が芽生えた

 もっと仲良くなってもらうには?息子はぬいぐるみも好き。本体もふわふわカバーをつけて、ぬいぐるみっぽくしてしまおう。カバーをぬって軽く綿を詰め、装着!

 モンスター風になりました。ブラシが手みたいで、よりかわいくなったと思います。が、果たして息子にとって違いはあるのか?皮をかぶって再会だ!

 ふわふわバージョン、明らかに反応がよい!追いかけたり、なでたり、ぬいぐるみをあげたり。目の前でカバーをかぶせたので、中身がいつものロボット掃除機だとはわかっているようですが、好ましく思ってくれていそう。

 

数日後には「るんばしゃん」と呼び(ルンバではないです)、「(しっぽ)ふりふり、わぁわぁ(ふわふわ)」ついには「しゅき」と言ってくれました。カバーの効果にびっくり。もふもふは愛される。

仲良くなる作戦は大成功。……と思っていたら、目を離した隙に紐で捕まえていました。漁か!

しっぽがあればロボット掃除機だってペットになる

 充電中もかわいい
 カバーをしていると、大体充電ステーションに帰れず、その辺で止まっています。が、ペットだと思えばポンコツ気味なのもむしろかわいい。息子には、ペットを超えて獲物になってしまいましたが、それもよし。ロボット掃除機にしっぽをつけたら、便利家電が愛されペットになりました。


むらさき:ライター・デザイナー。 電子工作やデジタルファブリケーションを駆使して、生活をちょっとへんてこでちょっと便利にする(かもしれない)ものを作っては記事を書いている。

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